狭心症は、心臓の筋肉（心筋）に血液を送る冠動脈が狭くなったり、けいれん（スパズム）を起こすことで、心筋に十分な酸素が届かなくなる病気です。
主な原因は動脈硬化で、血管の内側にコレステロールなどがたまって血管が細くなり、血流が減少します。
症状は胸の痛みや圧迫感だけでなく、息切れや動悸、肩や首・あごの痛みなど、胸以外にも現れることがあります。
狭心症には大きく分けて2つのタイプがあります。
【労作性狭心症】
歩行や階段昇降など、体を動かしたときに心臓の酸素需要が増え、症状が出ます。
【冠攣縮性狭心症】
冠動脈が一時的に強く縮んで血流が減り、安静時や夜間・早朝にも症状が出ます。
いずれも放置すると心筋梗塞に進行する可能性があり、早期診断と適切な治療が重要です。
| ■胸の痛み（締めつけられる、押さえつけられるような痛み） | |
| ■胸の圧迫感や重苦しさ | ■冷や汗 |
| ■動悸（脈が速くなる、ドキドキする） | ■吐き気や胃のむかつき |
| ■息切れ（呼吸が苦しい） | ■強い不安感 |
| ■首や肩、背中、腕、あごへの放散痛 | など |
急性心筋梗塞は、心臓を取り巻く血管である冠動脈が閉塞することによって発生します。
通常、冠動脈は心臓の筋肉に酸素を含んだ血液を供給していますが、動脈硬化などによって血管が狭くなったり、血栓（血の塊）が詰まったりすると、血流が止まり、心臓の一部の筋肉に酸素が届かなくなります。
この状態が長時間続くと、酸素が供給されない筋肉部分が死んでしまい、心筋梗塞が引き起こされます。
急性心筋梗塞は、生命に危険を及ぼす重大な病気です。
早期の治療が非常に重要です。
発症した場合は迷わず、すぐに救急車を呼ぶなど、適切な対応が求められます。
| ■胸痛（胸の中央部に激しい痛みや圧迫感） | |
| ■上半身の痛み(肩、腕、背中、顎、または腹部) | |
| ■胸の重さや圧迫感 | ■吐き気や嘔吐 |
| ■息切れ（呼吸が苦しく感じる） | ■めまいやふらつき |
| ■冷や汗 | ■失神 |
| など | |
不整脈は、心臓の拍動が正常でなくなる状態を指します。心臓の動きが速くなったり、遅くなったり、または脈が飛んだりするなど、心臓のリズムが乱れることが特徴です。心臓は通常、一定のリズムで拍動して血液を全身に送り出しますが、何らかの原因でそのリズムが乱れると、不整脈が生じます。
不整脈には、治療を必要としないものもあれば、心臓の病気が原因で起こるものもあります。例えば、心臓弁膜症、心筋梗塞、狭心症などの心疾患が不整脈を引き起こすことがあります。そのため、不整脈を感じた場合は、適切な診断を受けるために心電図や心エコーなどの検査を受けることが非常に重要です。早期に原因を特定し、適切な治療を行うことで、病気の進行を防ぐことができます。
| ■動悸（特に不整脈の発生時に感じやすい） | |
| ■脈が飛ぶ感じ | ■疲れやすい |
| ■胸の不快感 | ■意識が遠のく感じ |
| ■息切れ（特に活動時に発生） | ■手足の冷え |
| ■めまい | など |
心不全は、心臓が十分に機能せず、全身に必要な量の血液を送ることができなくなった状態を指します。心臓は、血液を全身に送るために規則的に拍動していますが、何らかの原因でその機能が低下すると、血液を効率よく送り出せなくなります。その結果、体のさまざまな部分に十分な酸素や栄養が供給されず、健康に支障をきたすことになります。
心不全は、主に不整脈（心臓のリズムの乱れ）、高血圧、心筋梗塞、心臓弁膜症など、さまざまな心疾患が原因で発症します。心不全が進行すると、体の他の臓器や機能にも悪影響を与えるため、早期の治療が大切です。早期に発見し、適切な治療を行うことで症状を軽減し、生活の質を維持することができます。
| ■動悸（心臓が速く、または強く打つ感じがする） | |
| ■息切れ | ■咳が出る |
| ■浮腫（足や足首、顔などがむくむ） | ■食欲不振 |
| ■体重増加 | ■睡眠時の息苦しさ |
| ■疲れやすい（少しの活動でも疲れを感じる） | など |
心臓弁膜症は、心臓にある血液の流れを制御する弁が正常に機能しなくなる病気です。健康な心臓では、各弁が開閉を繰り返し、血液を一方向に流れさせます。しかし、弁が何らかの原因で開きにくくなる（弁狭窄）や、閉じにくくなる（閉鎖不全）と、血液が逆流したり、血流が滞ったりします。
このような異常が続くと、心臓に負担がかかり、心機能が低下することになります。
初期段階では症状がほとんど現れませんが、弁の異常が進行するにつれて、心臓への負担が大きくなり、最終的には心不全や不整脈を引き起こすことがあります。これにより、動悸や息切れ、むくみなど、日常生活に支障をきたす症状が現れることがあります。
心臓弁膜症の診断は、心電図や心エコーなどの検査で行います。
心臓弁膜症の症状に気づいた場合は、早期にご相談ください。
| ■動悸（心臓が速く、不規則に打つ感じがする） | |
| ■息切れ（少しの運動や日常的な活動時） | ■疲れやすい |
| ■胸の痛みや圧迫感（特に運動中） | ■夜間の呼吸困難 |
| ■むくみ（足や足首、腹部がむくむ） | ■食欲不振 |
| ■めまいや失神 （立ち上がる時、運動後） | など |
動脈硬化は、血管内壁にコレステロールやカルシウムが蓄積され、血管が硬くなったり、狭くなったり、時には完全に詰まったりする状態を指します。
この結果、血流が滞り、血管障害が引き起こされます。血流が悪くなると、血管が狭窄したり閉塞したりし、下肢に影響が出ると「下肢閉塞性動脈硬化症」という病気になります。
下肢閉塞性動脈硬化症では、特に足の血流が不足し、歩行時に痛みや疲れを感じることがよくあります。この症状は「間欠性跛行」と呼ばれ、歩行中に痛みや疲労感が現れ、少し休むと再び歩けるようになるという特徴があります。間欠性跛行は、動脈硬化が進行しているサインとなります。
この病気は、主に高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙などの生活習慣が原因で引き起こされることが多いです。進行すると、足の傷が治りにくくなったり、最悪の場合、切断が必要になることもあります。適切な治療を行うことで進行を防ぎ、症状を軽減することが可能です。
| ■間欠性跛行（歩行時に足に痛みや疲れを感じ、休むことで再び歩ける） | |
| ■足の色の変化(足の皮膚が青紫色、色が薄くなる) | |
| ■足の冷感 | ■ふくらはぎの筋肉のこわばり |
| ■足のしびれや重だるさ | ■足のむくみ |
| ■足の傷が治りにくい | ■足先の冷たさや痛み |
| など | |
下肢静脈血栓症は、足の静脈に血栓（血の塊）ができる病気です。
この血栓は血液の流れを妨げ、足の血管に負担をかけます。通常、血液は静脈を通じて心臓に戻りますが、血栓ができると血流が阻害され、痛みや腫れ、さらには深刻な場合には肺に移動して肺塞栓症を引き起こすことがあります。
この病気は、長時間の座りっぱなしや立ちっぱなし、手術後の安静状態、妊娠、肥満、喫煙、家族歴などがリスク因子となります。また、加齢や血液凝固の異常なども血栓症の原因になることがあります。
下肢静脈血栓症は放置すると、血栓が大きくなったり、肺などの他の臓器に飛んで致命的な問題を引き起こす可能性があるため、早期発見と治療が非常に重要です。
適切な治療を行うことで、血栓が体内で移動するのを防ぎ、症状を改善することができます。特に、長時間の飛行機や車の移動、手術後など、血液の流れが滞りやすい時期には注意が必要です。
| ■足の痛み(特に立ったり歩いたりするとき) | |
| ■足の腫れ(特にふくらはぎ) | ■膝下のむくみ |
| ■足の重だるさ | ■痛みが歩行時に増す |
| ■皮膚の赤み | ■呼吸困難（肺塞栓症の兆候） |
| ■熱感 | など |
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